2002年03月
・2002.03.17(日)
 東京の「八百屋塾」を見学して
 
 東京都青果物商業協同組合
が、昨年度から毎月開催している勉強会を、ご好意に甘えて見学させていただきました。八戸でも遅ればせながら、このような組合事業に取組んでみたいと考え、運営方法などを学びに出かけたものです。
 
 「八百屋は(単なる)物売りにあらず」をスローガンに、地域社会の健康的な食生活のお手伝いができる八百屋を目指し、「本当の野菜とは?本当の果物とは?」を学び合う、青年会が主体となって運営している塾です。


 今回は13年度の最終講で、「食生態学から青果商の方々へお願いしたいこと」と題して、女子栄養大学・足立己幸教授の講演がありました。講師は「食生態学」の創始者で、数年前に大きな反響を呼んだNHK特番「知っていますか 子どもたちの食卓」の共同調査に携わった先生です。
 
 要点は、「食生活指針」の策定に関わってこられたことも踏まえ、
1.よい食物とは?
2.食事の中での野菜料理(副菜料理)の位置付けは
3.青果商は地域の中で、日常的な健康づくり推進のキーパーソン!?
といった、八百屋の一層の踏ん張りに期待を込めたものでした。
 
 引き続き行われた修了証書授与式の後、青年会会長の江黒孝さんから、キッチン付きの研修センター完成までの経緯や、塾運営の苦労話などを聞かせていただきました。

 午後には、塾の専任講師的存在の野菜評論家・江澤正平先生(写真左)のご案内で、調理指導の荒井慶子先生、食品流通ジャーナリストで「食品広場」の開設者でもある川島佐登子さんと一緒に、江戸川区の伊藤仁太郎さんのセロリのハウスを見学させていただきました。一年中で一番おいしい4月だけの出荷にこだわっている、農業試験場の先生みたいな、栽培歴45年の篤農家でした。


 道すがら「青果の生き字引」とも言える江澤先生から、歴史を含めてたくさんのことを教わりました。先生が著書『八百屋がつくった八百屋の教科書』(富民協会1988年発行)の中で指摘されている、野菜が単なる商品になってしまうことへの警鐘と、本当のおいしさと滋養を探って「食べ物としての野菜を商う八百屋」の役割は、今に至って、ますます注目されてきています。このことを20年以上も前から提唱し、勉強会を主宰されてきた先生には頭の下がる思いがします。
 
 たまたま14日のNHKテレビ「にんげんドキュメント 生涯現役 90歳のエンジニア」で、冷凍機メーカーのエンジニア・井上和平氏が紹介されました。「大好きなことを夢中になってしていたら、あっという間に90歳になっていた」という言葉が印象的でした。また以前、別の番組で、聖路加国際病院の日野原重明先生が、現在も診察や講義に大活躍されている姿も紹介されていました。
 
 実は、江澤先生も御年90歳になられるのですが、両氏に負けず劣らずの情熱と行動力をお持ちでした。この3人の大先達の共通点は、後に続く若い人たちに仕事の誇りや喜びを早く分からせたいと、実地に指導されていることだと思います。その無私でひたむきな姿に、私たちは心を打たれるのでしょう。今日一日、江澤先生のお供をさせていただいて、そのフットワークの良さには圧倒されてしまいました。
 
 こうして、早くも桜の開花宣言が出た東京の休日でも、たくさんの記憶に残る出会いがありました。厚かましくお世話になった皆さまに、このページを借りて御礼を申し上げます。
 
・2002.03.10(日)
 深刻な安値相場が続いて考えること
 
 当八戸市場ではナガイモが健闘しているのを除けば、相場がほぼ全面安の状態に陥ってしまいました。長引く消費不況に暖冬と豊作が重なり、場内は在庫であふれています。昨年11月から続く暴落により、今3月期も前年割れとなるのは確実で、これで3期連続のマイナスとなります。平成6年度以降は途中の10年度を除き、ずっとこの傾向が続いており、まさに「非常事態」と言ってよい状況です。
 
 一方、流通業者以上の厳しさに直面している生産者側では、小売の売価がそれほど下がっていないことで、市場の建値に不信感を募らせています。相対取引が主流となったことで価格決定過程が見えにくくなり、量販店サイドからのバイイングパワーに、卸売会社が負けてしまっていると受け止めているようです。
 
 このあたりをうやむやのままにしておくと、生産者の「市場離れ」の傾向が加速していきかねません。各地に直売施設が建ち並び、なおかつ生産者と大口需要者との間で、売れ筋を直接取引きする動きも目立ってきています。このまま手をこまねいていると、卸売市場の地盤沈下が、欧米のように進んでいきはしないか危惧します。
 
 こうした中、東京・築地市場に入場している東京中央青果と東京築地青果が、生き残りをかけて経営統合すると発表しました。今年10月には、売上高で業界第2位の新会社が発足する予定です。経営基盤強化に向け、1市場単数卸制へと移行するさきがけになりそうです。
 
 ここにきて各地から、一気に春の便りが届き始めました。サラダ系野菜の需要が増してきて、少しでも荷動きが良くなることを待ちわびる今日このごろです。
 
 (2002.03.16 追記)
 前述した築地市場に続いて、東京・北足立市場の東京千住青果と東京丸生青果が、今年10月からの新会社発足に向け対等合併することを、このほど発表しました。
 
・2002.03.02(土)
 組合青年部の勉強会に参加して                                  
 
 青果仲卸の後継者や幹部社員で組織する「青年部」の勉強会に、OBとして飛び入り参加させて貰いました。
 
 「21世紀 伸びる企業の条件〜営業とコミュニケーション〜」と題し、セミナー青森の吉田登専任講師(元NHKアナウンサー)から講演がありました。その要点は次の通りです。
 
1.グローバル化が進み、商圏が広範囲になる。
2.思わぬお客様からの来訪を受けることがあり得る。
3.社内全体で、営業の基本がきちんとできているか、チェックを。
4.会社のリーダーは「社会人としての基本」の手本になっているか。
 
 その後、あいさつ・発声の仕方、名刺交換や自己紹介のマナー、 清潔第一の服装術、良い印象を与える態度、先に結論を示して短いセンテンスでまとめるコミュニケーション法、朝礼やミーティングの進め方などを、実技をまじえて一から勉強し直しました。
 
 経営者や幹部が変身できなければ、会社全体は直らないとのことです。照れくさがっていたのでは、伸びる企業になれません。
 
 今回の貴重な体験により、基本をすっかり忘れてしまっていることを痛感するとともに、初心に戻ることの大切さを再認識したしだいです。
  
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